皇太子殿下御夫妻、岩手県の被災者と御懇談


高台移転先を御視察

 東日本大震災の復興状況視察のため岩手県を訪問していた皇太子殿下御夫妻は21日午後、津波で甚大な被害を受けた宮古市田老地区で、高台移転先として整備された三王団地を視察された。

800

皇太子殿下御夫妻は東日本大震災の被災者と懇談された=21日午前、岩手県宮古市(代表撮影)

 三王団地は国の防災集団移転促進事業を活用して整備され、これまでに約120戸が完成し、津波で自宅を失うなどした300人余りの被災者が入居している。御夫妻はうち8人と屋外で御懇談。皇太子殿下は「これまでどのようなご苦労がありましたか」「くれぐれもお元気で」などと言葉を掛けられていた。

 御夫妻は、またこの日午前9時半ごろ、復旧工事が続く同市田老地区の津波防潮堤を御視察。堤防の上で海に向かって深々と頭を下げ、犠牲者に黙とうをささげられた。続いて、1~2階部分が骨組みを残して完全に流失した「たろう観光ホテル」を訪れ、津波の爪痕が生々しく残る建物の様子に真剣な表情で見入っておられた。

 御夫妻は1泊2日の日程を予定通り終え、21日夜、新幹線で帰京された。