両陛下 岩手県の被災者見舞う
天皇、皇后両陛下は4日、東日本大震災から10年に当たり、震災で大きな被害を受けた岩手県の陸前高田市、釜石市とお住まいの赤坂御所(東京都港区)をオンラインでつなぎ、被災者と懇談された。
今後、宮城、福島両県もオンラインで視察される予定。11日には都内で開かれる政府主催の追悼式に出席される。
この日はまず県庁の知事から説明を受けた後、復興状況をビデオで見て、被災者と懇談された。震災で弟を亡くした陸前高田市の伊東孝さん(67)に、天皇陛下は「大変残念でしたね」と声を掛けられた。長男を亡くし、絵本を出版して震災の教訓を伝える活動を続ける同市の浅沼ミキ子さん(57)に皇后陛下は「ぜひ本を読ませていただきたいと思います」と語り掛けられた。
釜石市の菊池のどかさん(25)は中学3年の時に被災し、高台に避難して助かった。皇后陛下は「津波の経験が語り継がれて、普段から防災訓練が行われていることを本当に良かったと思いました」と感想を語られた。
懇談後、浅沼さんは「哀悼の言葉をいただき、涙が出てきて仕方がなかった。ありがたかった」と語り、伝承活動についても「認めていただいているという幸せな気持ちを持って、語り継いでいきたい」と話した。