「希望持って歩める年に」 両陛下がビデオメッセージ
コロナ終息願う
天皇御一家は1日、2021年の新年を迎えられた。天皇、皇后両陛下は新年に当たり、国民に向けてビデオメッセージを公表。天皇陛下は新型コロナウイルスの感染拡大に触れ、「今年が皆さんにとって、希望を持って歩んでいくことのできる年になることを心から願います」と述べられた。
皇后陛下も「今年が皆様にとって少しでも穏やかな年となるよう心からお祈りいたします」と語られた。
天皇の国民に向けたビデオメッセージは、上皇陛下の在位中、東日本大震災直後と、退位の意向をにじませたお気持ちを表明した際の2度あるが、陛下は初めて。宮内庁によると、皇后陛下のビデオメッセージも初めて。
陛下は、コロナにより国内外で多くの人が亡くなったことに触れ、「お悲しみもいかばかりかと思います」と遺族を気遣われた。医療従事者の献身的な活動に「深い敬意と感謝」を表し、医療現場の負担が増す状況を案じられた。
また、仕事や住まいを失うなど、困窮した人々の身の上を心配し、感染者らへの差別や偏見を懸念。一方で、こうした人々に寄り添い、支える活動をしている人たちの努力に「勇気付けられる思いがいたします」と述べられた。
その上で、人類はこれまで幾度も疫病や自然災害を乗り越えてきたとして、「人々が将来への確固たる希望を胸に、安心して暮らせる日が必ずや遠くない将来に来ることを信じ、皆が互いに思いやりを持って助け合い、支え合いながら、進んで行くことを心から願っています」と話された。