上皇陛下御夫妻 仮住まい生活に


新型コロナ拡大に心痛める

 上皇陛下御夫妻は3月末に移り住んだ仙洞仮御所(東京都港区高輪)の庭を毎朝散策するなど、静かに過ごされている。新型コロナウイルスの感染拡大に心を痛めつつ、事態の推移を見守られている。

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上皇陛下御夫妻は、那須御用邸の「嚶鳴(おうめい)亭」周辺を散策された=2019年7月25日、栃木県那須町

 上皇陛下は86歳、上皇后陛下は85歳となられ、体調面の課題も増えた。上皇陛下は昨年7月に強い脳貧血の症状を訴えられ、今年1月には外出から戻った後に一時意識を失って倒れた。

 上皇后陛下は昨年6月、両目の白内障を手術。同9月には乳がんの摘出手術を受け、ホルモン療法を続けている。体重が減少し、心不全の診断指標であるBNP値も高いままだ。精神的ストレスが原因とみられる血の混じる嘔吐(おうと)も複数回あった。

 今年3月に約26年間過ごした皇居・吹上仙洞御所を離れ、仙洞仮御所に転居された。朝早くから夜遅くまで引っ越しに向けた作業が続き、疲れがたまった御様子だったという。今後、最長1年半の仮住まい生活を経て、現在は天皇陛下御一家が住む赤坂御所に移られる予定だ。側近らは御夫妻と直接会う際はマスクと手洗いを徹底するなど、感染拡大防止に細心の注意を払っている。