上皇陛下 86歳に
即位行事終了に安堵
上皇陛下は23日、86歳の誕生日を迎えられた。4月末の退位後、初めての誕生日。天皇陛下の即位に伴う一連の行事が無事終わったことに安堵(あんど)し、喜んでおられる様子という。
退位に伴い一切の公務から退かれ、お住まいの皇居・吹上仙洞御所で静かな生活を送り、上皇后陛下(85)と過ごす時間を大切にされている。宮内庁によると、上皇陛下の体調に変わりはなく、来年3月末までに高輪仙洞仮御所(東京都港区)に転居されるため、荷物の整理を日課とされている。その合間の週2、3回、皇居の生物学研究所でオキナワハゼに関する論文執筆に向けた研究などをされている。
早朝の皇居内の散策に加え、朝食後にその日の日程が始まるまでの短時間、上皇后陛下と1冊の本を交互に音読する習慣を以前から続けられ、現在は文芸評論家山本健吉の「ことばの歳時記」を読んでおられる。夜には上皇后陛下のピアノに合わせてチェロを楽しまれることもあるという。
一方、秋に台風による被害が次々と発生した際には、在位中と同様、被災地に関する報道を注視しながら被災者を案じられた。太平洋戦争の激戦地パラオからの生還者2人や元国連難民高等弁務官の緒方貞子さん、アフガニスタン支援に尽力した中村哲さんらが亡くなった際には、遺族に弔意を伝えられた。
23日は皇居で誕生日の祝賀行事が行われる。平成の間は祝日だったが、今年から平日となる。一般参賀もなくなり、これまで宮殿で行ってきた行事は今年から原則として吹上仙洞御所で行う。