天皇陛下、ローマ教皇と御会見
スペイン語で「ようこそ」
長崎、広島訪問に謝意
天皇陛下は25日午前、皇居・宮殿で、23日に初めて来日したフランシスコ・ローマ教皇と会見された。天皇がローマ教皇と会うのは、上皇ご夫妻が在位中にイタリアを訪問し、故ヨハネ・パウロ2世と会見した1993年9月以来。
教皇は午前11時ごろ、トヨタの燃料電池車「ミライ」で宮殿に到着。玄関で出迎えた陛下はスペイン語で「日本へようこそ。お目にかかれてうれしく思います」と述べて握手を交わし、宮殿「竹の間」で通訳を介して約20分間会見した。
宮内庁によると、教皇は「お会いできることを楽しみにしていました。私は幼少の頃より日本の天皇家に尊敬の念を抱いていました」とあいさつ。陛下が長崎、広島両県訪問や東日本大震災の被災者との面会に謝意を述べると、教皇は「私が9歳の時、両親が長崎、広島の原爆のニュースを聞き、涙を流していたことが心に強く刻まれています」と話した。
話題は環境問題や陛下が研究している水問題にも及んだほか、足が少し不自由な教皇に陛下がエレベーターを勧める場面もあるなど、面会は終始和やかで温かい雰囲気だったという。陛下は英国留学中だった84年にバチカンを訪れ、ヨハネ・パウロ2世と会ったが、フランシスコ教皇とは初対面。5月の即位の際には、教皇から祝意を伝える電報が届いていた。