プログラミストの野望


地球だより

 私の知人に、コンピューター・プログラミストと呼ばれる職種の人たちが意外といる。ロシアを筆頭に、IT最高水準の技術を持つエストニア、リトアニア、ラトビア、ベラルーシ、ウクライナなどでプロとして幅広く活躍している。

 皆ソビエト式の数学アルゴリズムを元に、プログラミング技術を習得した世代で、彼らは共通して学生時代に、社会への反発心からハッキング(プログラム不正侵入)行為をしたことがある。

 そこで最近話題になった、米国の大統領選でロシアのハッカー行為により、選挙の勝敗に影響を与えたのかを尋ねると、政府関係のサーバーに侵入するのは至難の業で、リスクが多いため普通はやらないとの答え。

 一方で、米国を仮想敵国として、サイバー攻撃するとロシアの愛国者として賛美される社会的風潮も背景にあり、それが犯罪を助長した可能性は否定できないという。

 ただそれを本職とする人たちはほんの一握りらしく、この件は特別な訓練を受けたプロ組織が関与しているだろうというのが彼らの見解だ。

 そもそもロシアのハッカーがサイバー攻撃をしたと米国が断定する根拠は、彼らの独特の数学式の「筆跡」にある、とのこと。

 近年ロシアのハッカー能力が韓国やイスラエルに抜かれつつある中、プログラミストとして、常に世界の頂点にありたいというのが彼らのプロ魂。「自由な発想をもって」ハッカーとして「大業」を成したいというのも、彼らの探究心の行き着く先なのだ。

(N)