タイ反政府軍団の復活劇


地球だより

 タイ反政府デモのリーダーであるステープ元民主党議員はこのほど、インラック首相が抗議デモと政府機関占拠の中止を条件にデモ隊側と対話する考えを示したのに対し、「この国から『タクシン体制』を排除することがわれわれの最終ゴール」と述べ妥協なき徹底抗戦に打って出る基本姿勢を明らかにした。

 与党が突如、下院で通した「恩赦法」は本質が国外逃亡中のタクシン元首相に恩赦を適用し帰国の道筋を付けることが主目的だとして、反タクシン派が多数を占めている上院はこの法案をつぶした。普通なら反政府運動は、ここら辺りで手を緩めるのだが、政権からの退陣を求める徹底抗戦に出るという冒険に舵(かじ)を切った。

 反政府運動の難しさは、息切れせず高揚感を高めていくことだが、12月5日はプミポン国王の誕生日だ。その日に政治的混乱でバンコクが荒れていることは許されない。

 そのため政府は妥協を試みるのではという、国王誕生日を人質に取った作戦が功を奏することになるのか、間もなく結論は下される。

(T)