暖冬一変、記録的大雪に
地球だより
ワシントン、ニューヨークを含む米国東部は今年、異例の暖冬だった。例年なら12月には初雪が降るのに、それもなかった。年末年始にかけて近所にある何本もの桜が咲いた。それも一部でなく満開に近い咲き方だ。このまま雪なしで冬を越せるかもという淡い期待を抱いた人も多いかっただろう。
それだけに1月22日の午後から24日の未明にかけて間断なく降り続けた雪の量にビックリ。積雪は首都ワシントンでは61㌢に達し、郊外では70㌢を超えた。ニューヨークも積雪は68㌢。あたかも天空が12月から貯めてきた雪を一挙に吐き出したようだ。道路凍結や雪に関連する事故で少なくとも14人が死亡。地球温暖化は単純な気温の上昇ではなく、各地で異常気候を生み出している。ワシントン地域で近年発生している竜巻もその例だ。
雪が降り続いたのは週末だったが、雪の量が多すぎて除雪作業がはかどらず、連邦政府機関は26日の火曜日まで閉鎖された。学校も1週間休校となり、議会もすべての投票を次の週まで見送った。ワシントン、ボルチモア、フィラデルフィアの地下鉄、バスなどの公共交通機関は週末いっぱい運行全面停止した。東部全域でニューヨーク州など11の州が非常事態宣言を出した。陸上交通も麻痺し、旅客機は国際線を含め1万便以上が欠航し、多くの人の予定を狂わせた。米東海岸で8000万人以上の生活に影響を及ぼした。ノースカロライナ州では15万人、ニュージャージー州では4万人が停電に見舞われ、経済損失は10億㌦以上という。
(K)