また隕石が落ちてきた


地球だより

 ロシアに住んでいると、宇宙を身近に感じるようになる。2年前、ウラルのチェリャビンスク州に巨大隕石が落下した事件は記憶に新しい。はるか上空に現れた輝く火の玉が、白煙の尾を引きながら猛スピードで視界を横切っていく映像が、テレビやネットで繰り返し流された。

 交通事故がしょっちゅう起き、自己防衛のためにドライブレコーダーを取り付ける人が多いことが“幸い”し、たまたま落ちてきた巨大隕石の様子が映像に記録されたのだ。

 この隕石落下を目の当たりにした友人によると、ソニック(衝撃音)がとにかく物凄く、家の窓ガラスにヒビが入ったほどだという。

 やっぱりロシアは大きい。これだけ大きいのだから、宇宙から落ちてくる隕石が命中する確率も高いのだろう。

 そのロシアで今度は、バイカル湖に隕石が落下した。隕石の重さは推定で約11㌔、大きさは直径10㌢ほど。湖に落ちたおかげで人的・物的被害もなかった。宇宙からのホールインワンとでも言おうか。

 ちなみにホールといえば、ソ連時代のこんなアネクドート(小話)がある。

 外国人観光客がモスクワを散歩していて、ゴミ捨ての穴に落っこちた。「なんてこった」。激怒した観光客が「こんな穴の側には、夜でも分かるように赤い小旗を立てておくもんだ」と文句を言ったところ、近くにいたロシア人が「ソ連の国境越えるときに、大きな赤い旗を見ませんでした?」と。

 モスクワはずいぶん良くなったが、少し地方に行けばロシアの道は穴ぼこだらけ。ロシア文学の時代からロシアの道は困りものである。

(N)