相次ぐ海難事故


地球だより

 2日にフィリピン中部のレイテ島沖で、200人近くが乗った木造フェリーボートが港から出航した直後に転覆。少なくとも50人が死亡する惨事となった。

 船長は、横から大波を受けて船が傾いたと証言しているが、沿岸警備隊によると当時、天候に問題があったことは確認されていない。また出航直後に船が右に急旋回したため乗客が片側に寄り、船が傾いたとの証言もあり、操船の人的ミスも指摘されている。まだ混乱が続いており、真相の解明にはしばらくかかりそうな雰囲気だ。港から近かったため、比較的早く救助が駆け付け、145人が救助されたのが不幸中の幸いだった。

 さらに、この数時間後にも、フィリピン中部のパナイ島付近の海で、漁船が転覆し漁師7人が行方不明となる事故が起きている。

 フィリピンはこれから本格的な台風の季節に入り、海難事故の増加が懸念されるだけに、不吉な事故の連続となった。フィリピン気象庁は、年内に19個から21個の台風が発生すると予測しており、異常気象の影響で超大型の台風が再び上陸する可能性も指摘している。

 観光客がリゾートの島などにボートを使って行く場合も多いと思うが、この時期は台風の進路など天候の確認を忘れずに行いたい。船が警報を無視して出航し遭難するケースも多く、ここらへんの判断にも自己責任が求められるのが、この国の現状だ。

(F)