新空港でイメージアップ
地球だより
北朝鮮の空の玄関口、首都・平壌にある順安空港が今月リニューアルオープンし、最貧国とは思えぬピカピカの豪華施設や奇麗どころを集めた客室乗務員が颯爽(さっそう)と歩く様子を紹介した当地国営テレビの映像が話題になっている。中国の空港をモデルにして金正恩第1書記から怒られ、やり直しを命じられたそうだが、出来上がりを見た金第1書記は至極ご満悦の様子だったことが映像から伝わってくる。
狙いは対外イメージアップと外貨稼ぎ、というところか。ターミナルの外壁最上部にあった「首領さま」(金日成主席)の肖像画が消えたあたりは、外国人が空港に降り立った時の第一印象があの肖像画のせいでかなり悪いことを、実は彼らも自覚していた証拠だ。
一応、国際空港と称しているが、国際路線は中国の北京、瀋陽の2都市との間を往復する中朝便のみ。国内路線も地方1、2カ所との間を週1で結ぶ程度で、燃料不足がネックだ。まとまった外貨を落としていくのは北朝鮮が物珍しくて訪れる中国人団体客くらいだが、そもそも「爆買い」するモノが何もないためかリピーターが少ない。
せっかく立派な空港を造っても、拉致や核、ミサイルなどのイメージが先行してしまい、北朝鮮ツアーと聞いただけで普通の人は引いてしまう。ならばと、どんな挑発にも最後は同胞意識で許してくれちゃう「南朝鮮(韓国)」が頼みの綱と思ってたりして…。
(U)