米公立校の日本語実験授業
地球だより
安倍首相がオバマ米大統領とホワイトハウスで首脳会談をしていた4月28日。安倍首相の昭恵夫人はミッシェル・オバマ大統領夫人とともに、ワシントン近郊のグレートフォールズ小学校を訪問し、授業風景を見学した。
同小学校は米国の公立学校だが、1日6時間授業のうち半分が英語、半分が日本語で行われている。両夫人は、算数、理科、保健の3教科の日本語授業を参観した。天皇、皇后両陛下が1994年6月に訪米された際にも、同じ小学校をご見学になった。
米国の場合、日本と違って各州が独自に公立学校の教育方針を決め、教育を運営している。より直接的に公教育の方針、運営に責任を持つのが郡だ。
グレートフォールズ小学校はバージニア州フェアファックス郡にある。同郡は、一部の公立小学校で英語とともに外国語で集中的に授業を行うイマージョン(集中訓練)プログラムを実施してきた。
日本語が2校、韓国語が1校、フランス語が1校、ドイツ語が1校、スペイン語が7校という具合に、算数、理科、国語などの授業が外国語で行われる。
生徒のほとんどが日本人である日本語補習校と違って、これらの学校の生徒は地域の一般米国人家庭の子供たち。ほとんどは白人とか非東洋系の米国人だ。日本語の基礎がないまま入学してくる生徒が大半である。
日本語授業の教師は日本の文部省から派遣されている日本人教員で、授業では一切英語は使わず、最後から最後まで日本語だけで授業する。こういう実験が公立学校で堂々と行われている。いかにも米国らしい。
(K)