空を飛ぶ灯籠リスク
地球だより
タイ陰暦12月の満月の夜に灯籠(とうろう)を流して1年の罪を流すタイの伝統行事「ロイクラトーン」は有名だが、灯籠を川に流さず空に飛ばす「コムローイ」がタイ北部チェンマイならではのローカル行事として人気を博している。
空を飛ぶコムローイの原理は、熱気球と同じでロウソクの炎でもって紙や布で作られた小さな気球の中の空気を暖め天空に飛ばす。
ピーク時には5000個ものコムローイが空を飛び、気流に流されるコムローイの群れは天の川のような様相をも見せ壮観だ。
その空を飛ぶ灯籠が、今月初めひやりとさせる事故を起こした。
チェンマイ空港で、バンコクから到着したタイの民間航空会社バンコクエアウェイのエンジンにコムローイが巻き込まれているのが見つかり、同機によるバンコクへの復路便がキャンセルされた。
あわやという事故を起こしたコムローイは、近年、陰暦12月の満月の夜だけでなく、年の瀬、新年にも飛ばされるようになっており、それがエンジンに吸い込まれたもようだ。
(T)