フィリピンのハイヤー配車アプリ


地球だより

 フィリピンの陸運許認可規制委員会(LTFRB)はこのほど、スマートフォンを使ったハイヤー配車サービス「ウーバー」を利用している車両を営業許可を持たない違法タクシーとして取り締まる方針を示した。

 既にLTFRBのおとり捜査によって1台の車両が押収され、運転手に対し20万ペソ(約50万円)の罰金が科せられた。

 マニラ首都圏では、自家用車を持たない外国人観光客や、安全を求める中流層などを中心にウーバーは人気を集めており、今回の摘発は利用者にとって寝耳に水だったようだ。

 電車などの交通機関の発達が遅れているマニラ首都圏では、タクシーは非常に重要な交通機関となっているが、運転手による強盗などの犯罪が日常化するなど、現地の人々にとっても安全とは言い難い代物だ。

 ネット上で、あるウーバーの利用者は「LTFRBに承認されたタクシーで、多くの人々が強盗などの被害に遭っている」と、既存タクシーのサービス改善に無関心なLTFRBを批判し、ウーバーの摘発に反対した。

 割高なサービスにもかかわらずウーバーが支持されているのは、やはり既存のタクシーの安全性に大きな問題があるからに他ならず、LTFRBに批判が集まるのも当然の成り行きと言える。このまま規制を強めるのか、それとも共存の道を探るのか、タクシー利用者の注目が集まる。

(F)