応援したい新たな水曜集会ー韓国から


地球だより

北京五輪開会式に登場したチマチョゴリを着た朝鮮族(韓国紙より)

 韓国では今回の北京冬季五輪で反中感情が巻き起こった。開会式で少数民族の朝鮮族代表が韓服姿で登場し、まるで韓国が中国の属国扱いを受けたような気分にさせられたこと、また韓国にとって金メダル獲得の期待が最も懸けられていた男子ショートトラックで審判から不可解な失格判定を受け、代わりに中国選手が金メダルを取ったことなどが原因だ。それを意識したのか、選挙直前の大統領候補たちまで中国批判で鼻息が荒かった。

 近年ひどくなる中国の覇権主義や人権蹂躙(じゅうりん)にNOを突き付け、毎週水曜日の昼にソウルの中国大使館近くで反中デモ集会を行っている市民団体がある。まだほんの数人の、メディアからあまり注目されない活動だ。

 毎週水曜昼といえば、慰安婦問題で反日を叫ぶ集会が有名だ。団体代表が親日家であることを知り、筆者は取材の折に「どうせなら、あの反日デモに対抗し、これから毎週水曜日にやってはどうか」と持ち掛けた。代表は二つ返事で「それはいい考え」。あれから3カ月たつが、新しい水曜集会は続いている。

 中国大使館前といえば、10年くらい前、中国に潜伏する脱北者を北朝鮮に強制送還していた中国政府に抗議する集会があった。そこで40代くらいの父親が、一緒に連れてきた中学生らしき息子に向かって「きょうこの場であったことを忘れては駄目だゾ」と語り掛けていたのを今でも覚えている。もう大人になったあの男の子は、父親の言葉を思い出しているだろうか。(U)