再び春節イベントを禁止 ーフィリピンから


 意外に思うかもしれないがアジアのラテン国家と呼ばれるフィリピンには、チャイニーズニューイヤー(春節)を祝う文化が根付いていて、普通の正月に匹敵するほどのお祝いをする地域もある。
 
 マニラ市には東南アジア最古と言われる中華街がある。この時期になると赤い提灯(ちょうちん)があちこちに飾られた商店街では、派手な爆竹とドラゴンダンスが路上で披露され、多くの観光客で賑(にぎ)わうのが恒例となっている。

Photo by Stel on Unsplash

 しかし、新型コロナの影響で2年続けてお祝いイベントは禁止されることとなり、再び寂しい春節を迎えるに至った。マニラ市のモレノ市長は「これまでの市の取り組みを無駄にしないためにもイベント中止をする必要がある」と述べ、市民に理解を求めた。

 筆者も何度か春節の中華街を訪ねたことがあった。ほかのフィエスタと呼ばれるキリスト教を土台としたお祭りとは違い、中国文化とフィリピン文化の融合的な趣があり、とても興味深かった。中華街のたたずまいに加え、そこで商売を営んでいる人々の顔つきもやはり中国的で、ほかの地域にはない独特の雰囲気があるのだ。

 コロナ禍が終息してフィリピンを訪れる機会があれば、ぜひ中華街を訪れることをお勧めしたいが、春節期間中はスナッチャーと呼ばれるスリの稼ぎ時でもあるので、特に観光客の方は十分に注意されたし。

(F)