日韓版「けがの功名」 韓国から
地球だより
「近くて遠い」といわれる日本と韓国だが、日韓のカップルは割とよく見掛ける。これは最近あったカップル誕生の話。
都内の大学に通う男子学生がサークルのバスケで足を骨折し、ギプスをはめて通学していた。ある日、最寄り駅で電車に乗ると、あいにく満員。つり革につかまって立つと、その瞬間、目の前に座っていた若い女性がスッと立ち上がり、席を譲ってくれた。男子学生は軽く会釈をし、席に座った。その日はそれで終わった。
ところが、あくる日も二人は同時刻の電車でバッタリ出会った。女性はびっくりしてあいさつを交わそうとしたが、日本語をしゃべれない様子。ポケットから取り出した携帯の翻訳アプリを使い、日本語表示の画面を見せたが、実は男子学生は韓国育ちの帰国子女で、日本に戻って間もなかった。最初、漢字が読めずモジモジしていたが、アプリが韓国の大手検索サイトのものであることを発見し、女性が韓国人であることを見破った。二人は大笑いし、ようやく韓国語で存分に会話を交わした。二人はその後、付き合い始めた…。
映画にでも出てきそうな運命的な出会いだ。特に男子学生がけがをしていなかったら二人の出会いはなかったわけだから。女性は男子学生より2歳年上で、男子学生は女性を「ヌナ(韓国語のお姉さん)」と呼んで甘えているとか。ここ数年、日韓関係はぎくしゃくするばかりだったが、二人の姿を見ていると「本当にそうかなあ」という気にさせられる。(U)