ワクチン未接種者は外出禁止 ーフィリピンから
新型コロナウイルス感染が静まり、フィリピンでは昨年10月ごろに大幅な規制緩和が実施され解放感に包まれたが、年末からオミクロン株によるとみられる感染急増に見舞われ、政府は再び規制強化に舵(かじ)を切った。
特に感染が爆発的に増加しているマニラ首都圏では、5段階のアラートレベルが2から3に引き上げられた。商業活動に対する規制が強化されたほか、ワクチン未接種者に対する移動制限が課せられることになった。
具体的にはワクチン未接種者は、食料の買い出しや通院などを除いて原則外出禁止で、公共交通機関の利用も禁止される。つまりワクチン未接種者だけが、ロックダウン状態になるという厳しい措置だ。
事情があってワクチンをまだ打っていない人々からは失望の声も聞かれるが、政府はあくまでもワクチン未接種者を感染から保護するための措置だと強調。マニラ首都圏だけでなく、まだ感染が広がっていない地方でも同様の措置を導入する方針を示している。
5日の時点で新規感染者数は1万人を超えており、来週には2万人に達すると専門家は予測している。今回の規制強化で休業を強いられる業種もあることから、経済損失は2億ペソに達すると予測されるなど、お祭り気分はすっかり冷めてしまった感じだ。
(F)