ネコとネズミが同居した1年
地球だより
今年も残りあとわずか。とはいえ、韓国の場合は旧暦の正月を盛大に祝うため、日本のように一斉に仕事納めをして年末年始をゆっくり家で過ごすことはほとんどない。こちらに住んでいると、いつの間にか新年を迎えていたということも少なくない。このあっけなさがちょっぴり寂しくもあり、残念でもある。そのくせ忘年会は忘れずにしっかりやるのだから不思議なものだ。
ところで年末になると、日本では恒例の「今年の漢字」が発表される(今年は東京五輪で金メダルラッシュに湧いたことから「金」)が、韓国でも大学教授らが選定した「今年の四字熟語」なるものが発表され、「猫鼠同処」に決まった。「猫鼠同眠」とも言われ、「猫が鼠を捕まえず、むしろ一緒の場所に居る」から転じ、「役人が悪人を取り締まらず、一緒に悪事を働く」ことを意味する。
確かに今年は公務員たちが絡む不正疑惑が相次いだ。公企業の職員が内部情報を利用し土地投機に走ったり、有力大統領候補が市長時代に手掛けた新都市開発で常識外れの巨額資金が関係者個人に流れるなど、襟を正すべき立場の人が不正の渦中にいた疑いが浮上し、世間を騒がせた。不名誉なことだが、戒めの意味を込めてこの四字熟語を選んだのだろう。
年が明け2カ月もすれば大統領選挙がある。猫が鼠と一緒にいるような不自然なことが少しでも減るようリーダーシップを発揮してほしい―。四字熟語に託したもう一つの思いだという。(U)
(サムネイル画像:Wikipediaより)