サラメシの光景が一変 ー韓国から
地球だより
サラリーマンやOLにとって昼ご飯は待ちに待った楽しいひととき。ソウルの中心街では11時半にもなると会社員たちが三々五々、近くの飲食店に向かって歩き始める。大企業なら自前の食堂があり、従業員たちが順番待ちの列をなす。これが昼飯時の風景だった。ところが昨年からのコロナ禍で状況は一変した。外に食べに行っても、出来るだけ人込みは避け、同僚とは行動を共にせず、一人黙々と食べる「ぼっち飯」派が急増している。
この影響で売り上げを伸ばしているのがコンビニ弁当だ。コンビニ大手なら各店舗に「ぼっち飯」用のテーブルと椅子を数人分用意している所も多い。昼食時になると会社員らしき男女が皆同じ方向を向いて座り、店内で買った弁当を食べる姿をしばしば見掛けるようになった。一昔前なら「独りでご飯を食べるなんて」と白い目で見られがちだったが、今はこれがウィズコロナの日常になりつつあるようだ。
一人で食べるなら弁当持参でも構わないはずだが、韓国には職場に弁当を持ってくる文化があまりない。冷めた飯を嫌がるからだそうだが、もともとOLたちの場合は各自おかずを持ち寄って皆で分け合って食べる習慣がある。感染防止でそうした楽しみが奪われた影響もありそうだ。
「ぼっち飯」に慣れっこの日本人ならともかく、わいわいがやがやが好きな韓国人たちが「ぼっち飯」をしている姿は見ている方がぎこちなくなる。(U)