ロックダウンの新年ーイスラエルから


地球だより

 3度目のロックダウン(都市封鎖)の最中、新しい年を迎えた。といってもイスラエルではユダヤ暦のため、あまり新年という実感は湧かない。ただし、アラブ系イスラエル人が住む町は例外だ。

 大晦日(おおみそか)の深夜、盛大な花火があちこちで打ち上げられた。個人で住宅の屋上から打ち上げている場合もある。ユダヤ人しか住んでいない町では見られない光景だが、混在している町や、近くにアラブ人の町があると、遠くからでも打ち上げ花火を楽しむことができる。北部の町に住むユダヤ人の友人は、四方にアラブ人の町があるため、非常に賑(にぎ)やかな夜を過ごしたと言っていた。

 クリスマスシーズンには、巨大なクリスマスツリーや美しいイルミネーションを楽しむため、アラブ人の町を訪れるユダヤ人も少なくない。今回は、コロナ禍の影響で例年ほど賑わなかったようだが、お祭りやお祝い好きは万民共通である。

 クリスチャンの友人にクリスマスパーティーや新年の集いに招かれることも多いこの時期だが、誰もが近しい家族だけで祝っている。その代わり、携帯に凝ったクリスマスやニューイヤーのメッセージが送られてきた。

 ビデオメッセージでは、サンタクロースが新型コロナウイルスのワクチンを配達していたり、アニメのキャラクターがウイルスを退治していた。2021年こそ新型コロナを克服したいという人々の願いが反映されているな、と思いながらお礼のメッセージを返信した。

(M)