コロナ禍の意外な出前配達員ーブラジルから


地球だより

 新型コロナウイルスの流行が始まった後、日本ではウーバーイーツをはじめとするフードデリバリーの人気が高いと聞く。ブラジルでも、外出自粛を助けてくれるフードデリバリーは過当競争とも言えるほどの人気を見せており、配送各社がレストランと顧客の囲い込みに躍起になっている。

 記者も先日、寿司(すし)レストランにデリバリーの注文をした。ウーバーイーツを通すよりも、店に直接連絡した方が、料金やサービス面できめ細かい対応をお願いできることが多いためだ。

 レストラン関係者に聞いた話だが、ウーバーイーツを利用する場合、初期の登録料以外に注文料金の30%近くを運営側に収める必要がある。

 1時間ほどで届くと言われたのだが、約束の時間を過ぎても食事が届かない。電話で確認したところ、注文が殺到したことに加えて、初めての注文だったために住所の確認が遅れてしまったのだという。

 結局、30分以上遅れて玄関のベルが鳴った。文句の一言でもと思ってドアを開けたところ、30代の女性が荷物を持って立っていた。デリバリーは基本的に若い男性が多いので、面食らってしまい、取りあえず財布からチップを取ってきて女性に渡した。

 「あなたのような配達人は珍しいね」と聞くと、勤めている会社が感染拡大の影響で就業時間が短縮され、給料も減らされたのだという。ただ、仕事を失った知人も少なくないので、仕事があるだけ恵まれているのだと。彼女と別れを告げた後、苦情の一言をのみ込むことができたことに感謝した。

(S)