コロナ禍で銀行も閉鎖ーイスラエルから


地球だより

 先日、行きつけの銀行で、見慣れない警備員が中から出て来て「閉まってる」という。いつ開くのか尋ねると、「来週」と言いながら、入り口に貼ってあるヘブライ語で書かれた紙を指さした。意味が分からず尋ねると、行員がコロナに感染し閉鎖されたことが理解できた。他の支店は通常通り営業しているという。

 次の日、ネットで幾つかの支店の場所を調べ、近くて行きやすそうな支店に行ってみた。すると入り口の扉がロックされ何か様子が違う。ガラス越しに覗(のぞ)き込むと、気付いた行員が開けてくれた。用件を言うと、この支店では現金を取り扱っていないという。そんな銀行があるのかと思いながら、他の支店への行き方を聞いてバスに乗った。

 降りるバス停で声を掛けてくれるよう運転手に頼んだ。気温は40度近く、運転手はマスクのせいで酸欠気味なのか目がうつろで余裕なく必死に運転している様子だった。おかしいと思い乗客に尋ねた時には行き過ぎていた。急いで引き返し、ようやく銀行にたどり着いた。終了時間ぎりぎりだったが、目的を果たすことができた。

 市場へ行きたかったので、銀行の警備員から聞いたバス停に向かった。少年少女たちに、このバス停でいいか尋ねると、急いでマスクを着け始め、ここではなく銀行の前のバス停だという。来た道を戻り、市場行きのバスに飛び乗った。

 西洋ナシなど季節の果物を買って帰途に就いた。銀行を巡りながらのちょっとしたアドベンチャーを楽しんだ。

(M)