子供の外出制限でキッザニア閉鎖-フィリピンから
地球だより
フィリピンでは新型コロナウイルス対策の外出規制が徐々に緩和され、経済活動も再開し、街中に活気が戻ってきた。しかし依然として規制の直撃を受けている産業もある。
夜間外出禁止令はあるものの移動の規制が大幅に緩和され、仕事や買い物は自由にできるようになり、厳格なロックダウン中の閉塞感はほぼなくなった。その中でも、いまだに厳しい規制下にあるのは子供たちだ。学校も閉鎖が続き、外出は通院などの緊急時を除き原則的に禁止となっている。
実際のところ外を歩き回る子供の物乞いも増えているし、屋外に出て近所で遊ぶ子供を見掛けるなど、それほど規制は厳格ではなかった。しかし最近、感染者が増加傾向にあるマニラ市では、子供を屋外に出した保護者を逮捕する方針を打ち出し、これまでに30人以上が逮捕された。
このような規制の直撃を受けているのが子供向けの娯楽産業だ。すでに複数のテーマパークが閉鎖を発表しているが、ここにきて大手の「キッザニア・マニラ」もついに力尽き、廃業を宣言した。
5年前にオープンし、高い出生率が続くフィリピンで大きな成長が見込まれていたが、予想外のパンデミックにより将来的な見通しが立たなくなったのだ。今もなおレジャー目的の旅行は規制されている状態で、娯楽産業の生き残りは非常に困難な状況が続きそうだ。
(F)