授業料減額勝ち取った母親たち-ブラジルから


地球だより

 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないブラジル。ほとんどの公立学校で今も全面休校が続いているが、私立学校の多くではグーグルクラスルームやズームなどのアプリを利用したリモート授業が行われている。
 ブラジルの私立学校の授業料は、平均給料と比較するととても高い。それでも、公立学校との教育格差があまりにも大きいため、家計負担をいとわずに子供を私立学校に送っている親は多い。休校やオンラインに授業が切り替わったこと、さらにコロナ禍で収入が減少した家庭が多いことから、多くの私立学校で授業料の減額や一部返還を求める声が上がっている。

 記者の子供が通う私立小学校でも同じことがあった。ブラジルにはPTAのような組織はないが、クラスメートの親たちがアプリを使って交流をしている。当然、今回のコロナ禍で授業料の負担が大きいとの声が上がり、学校に減額を求める親が殺到した。当初、学校側は否定したが、ここからがブラジルの保護者(特にママさん)の力の見せどころだ。

 保護者たちは連日、消費者庁や市役所、果てはマスコミにまで攻勢をかけ、最終的に授業料減額を勝ち取った。学校から減額を伝える電子メールが届いた時には、「本当に勝ち取ったのか」と驚きながら妻と目を合わせた。

 後日、月賦分の授業料を納めるために学校に赴いた際、減額の音頭を取っていた女性と出くわした。妻が感謝の言葉を伝えると、「コロナ禍で大変ですからね、お互い頑張りましょう」と、屈託のないブラジリアンスマイルが返ってきた。

(S)

(サムネイル画像:Photo by Feliphe Schiarolli on Unsplash)