ルールは守って-イスラエルから
地球だより
コロナ禍の規制緩和が進むイスラエルでは、レストランやパブ、カフェも開店し、待ってましたと言わんばかりに人々が押し寄せにぎわっている。しかし、マスクを着けた客はほとんどおらず、ソーシャルディスタンスはどこへ行ったのかというくらい混み合っている。感染対策にはマスク着用が最も有効であるとの政府の呼びかけを、人々は全く意に介していないようだ。
先日、エルサレム中心街のカフェで久しぶりのコーヒーを楽しんでいると、店員から「飲みながらでも顎にマスクを着けて」と言われた。各都市では、マスク着用の取り締まりが強化され、忍者のように木陰に隠れてまで、警察官が容赦なく反則切符を切っているという。
再開された学校では、初めの頃は校門で検温が行われていたが、最近は親が毎朝、子供の体温を測り「うちの子供は健康です」という親のサインを持たせている。マスクやサインがない生徒は校内に入れない。ところが、生徒たちは教室に入るとマスクを外し、教師はマスクを顎にずらして授業を行っているという。わが家の高校生の娘は、マスクを着けているのは自分だけだとぼやいていた。
懸念は的中し、エルサレムやテルアビブの学校で感染者が急増した。生徒や教員433人が感染し、144校が再び休校となった。一時20人以下まで減った1日の感染者数は、ここ数週間で200人を超えている。ルールは守ってほしいものだ。
(M)