少しホッとする外出の光景-米国から


地球だより

 米国で外出制限の緩和が進む中、徐々に外出する人が増えてきている。
 筆者の住むバージニア州北部は、経済活動再開の第1段階に入った。小売店は入場制限した上で開店できるほか、飲食店は屋外席で客にサービスを提供し、理髪店は完全予約制で営業できるようになった。

 しばらく閉鎖されていた近くの公園も再開された。久しぶりに訪れてみると、ユニホームを着た青年たちがサッカーに汗を流したり、野球少年が父親からピッチングの指導を受けたりしている。広々とした芝生のある敷地を散歩している人も多く見掛けた。

 3月に外出制限令が発令されて以来、多くの人は大半の時間を室内で我慢して過ごした。今では、その「失われた春」を取り戻そうとするかのように外での活動を増やしている。

 近所の大型ショッピングモールをのぞいてみると、活気を取り戻しつつあった。6~7割ほどの店舗が営業していて、客足は戻りつつあり、カップルや家族連れでにぎわっていた。

 マスクを着用している人がほとんどだが、話す時に煩わしいのか、マスクを顎まで下げてしまい意味をなしていない販売員も見掛けた。これまでマスクを着ける習慣がなかったからかもしれないが、感染拡大につながらないか気になる。

 入店の人数制限があるため、衣料品店の前には列ができたが、並んでいる客同士の間隔は1㍍も距離はない。社会的距離を以前ほど、気にしなくなってきているようだ。

 ただ、厳しい外出制限が長く続いた後、買い物を楽しむ光景が再び見られると少しホッとするのも事実。このまま感染の「第2波」が来ないことを願っている。
(Y)