DMZ地雷と袋ネズミ


韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」

 地雷が初めて登場したのは1277年、中国の宋の時代だった。モンゴルの騎馬兵を防ぐために地雷を使った。地雷はシルクロードを通ってヨーロッパに伝わり、籠城戦に使われた。現代になって対人、対戦車用に開発された地雷は最も非人道的な兵器だと指弾されている。戦争は平和協定を結べば終わるが“地雷戦”の終わりは見当がつかない。世界各地に埋設された地雷は1億1000万個以上と推定されている。毎年1万人前後が地雷の爆発によって死傷している。

 韓半島は世界的に有数の地雷危険地域だ。非武装地帯(DMZ)だけでも約200万個が埋められている。(1953年の)休戦以降、地雷によって死傷した軍人や民間人は3000~4000人に達する。ユネスコの生物圏保存地域への登録、平和トゥルレキル(散策路)の造成など、DMZの平和的利用のためにも地雷の除去は急がなければならない。後方地域の60カ所前後にも1万個ほど埋設されている。さらに、ソウル市瑞草区の牛眠山にもまだ地雷が残っている。軍部隊を防御するために埋設したものだが、その後、除去作業をしたもののまだ10個ほど見つかっていない。

 アフリカ産の袋ネズミは地雷探知に卓越した能力を持っている。袋ネズミは餌を地中に埋めておいて後で臭いをかいで捜しだすという習性をもっている。これを活用して火薬の臭いで訓練した後、地雷の探知に投入すると驚くべき活躍を繰り広げる。人が金属探知機で25時間かかる作業を20分で完了するほどだ。地雷が爆発する圧力は5㌔㌘だが、袋ネズミの体重は1・5㌔㌘にすぎないので、地雷が爆発することもない。モザンビーク、タンザニア、カンボジア、アンゴラ、ジンバブエ、コロンビア、ベトナム、ラオス、タイの9カ国が袋ネズミを利用して地雷を除去している。

 最近、ベルギーの民間団体「アポポ(APOPO)」が地雷の除去作業に袋ネズミを投入しようと、わが国に提案してきた。江原道鉄原郡の“(後高句麗を建てた)弓裔の都”跡地一帯の埋設地雷の除去に袋ネズミ10匹を試験的に投入してみようということだ。DMZ一帯の地雷を全て除去しようとすれば前方師団の11工兵大隊をすべて投入しても200年以上かかる。ところが袋ネズミを投入すれば、15年以内で終えることができるのだという。非常に喜ばしいニュースだ。軍当局が前向きに検討することを願いたい。

(4月6日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。