デコボコ道を埋める少年の美談
地球だより
もともと米国にはデコボコした道が多いが、それに加え春先から道の路面のあちこちに「ポットホール」という大きな穴が目立つようになる。車のパンクや事故の原因になることもあり、運転により神経を使うようになる。
行政によるポットホールの修繕はなかなか進んでいない。最近、近所の穴だらけの道を見かねた、ミシガン州の12歳の少年の取り組みが話題になった。母親の車がパンクしたのをきっかけに、「これ以上、他の人が車を台無しにするのを見たくない」と、誰にも告げず一人で家の庭の土を使って穴を埋める作業を始めた。
その様子を通り掛かりの人が撮影し、インターネットに公開。シャベルを使って、一人黙々と穴を埋める動作を繰り返す少年を映したフェイスブックの動画は、閲覧数がすぐに5万を超えるなど、反響を呼んだ。
このポットホールは、コンクリートやアスファルトのひびに入り込んだ水分がいったん凍った後、蒸発することによってできる。寒暖差が激しかった今年は、特に多い。ワシントン市内では、1月から3月中旬までの苦情が約7000件と昨年の2倍で、当局の対応は追い付いておらず、大きな穴が至る所に放置されている。
近隣の人たちを助けるため自ら動いた少年の美談は、ボランティア精神が根付く米国らしいエピソードだが、感心させられると同時に、ひどい路面の状況も改めて思い起こさせた。
(Y)