選挙権年齢論争
2003年、ドイツで“家族投票権”を導入しようという法案が提出された。赤ん坊はじめ全員に投票権を与え、12歳未満の場合は父母が代理行使できるようにする内容だ。12歳以上の子供は父母の代理権を拒否して直接投票することもできる。賛否の論争が起こり、投票年齢を14~16歳に引き下げようという主張も出されたが、うやむやになった。ドイツの選挙年齢は18歳以上だ。
オーストリア、キューバなどでは16歳から投票できる。アルゼンチンも2012年に18歳から16歳に引き下げた。当時、下院は野党議員が集団退場する中で真夜中に法案を処理した。野党は選挙年齢引き下げが政権与党の選挙用の措置だと反発した。選挙年齢が17歳からのインドネシアなどもあるが、大勢は米国と英国などの18歳だ。日本も15年に20歳から18歳に引き下げた。このため経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国のうち、韓国だけが“19禁”に残った。
早期の大統領選挙を控えて選挙権年齢を18歳に引き下げるかどうかがホットイシューだ。最も積極的な共に民主党の文在寅(ムンジェイン)元代表は今月13日、「北朝鮮も17歳だ」と言いながら、「19歳は世界的に非常に恥ずかしいこと」だと述べた。すると正しい政党の劉承★(ユスンミン)議員は「北朝鮮が民主的な自由投票を行って金正日、金正恩体制が誕生したというのか。理解できない」と攻撃した。「文元代表は大統領になれば、北朝鮮を最初に訪問すると言った。10年前に国連の人権決議案に対しても、北朝鮮に尋ねてみようとと言った」と述べて、文氏の対北朝鮮観を問題にした。
15年7月19日、北朝鮮の地方議会代議員選挙の投票率は99・97%だった。その1年前や4年前の選挙でもほぼ同じだった。賛成率は100%。北朝鮮の外交官出身の高英煥・国家安保戦略研究院副院長は当時のインタビューで、「過去の選挙を視察した外国人たちが100%の投票率に異議を唱え、金正日が対策を支持したので宣伝扇動部から出てきた数値が99・97%だった」と語った。
文元代表の北朝鮮関連発言は絶えず争点となっている。彼は「開城工業団地、金剛山観光の再開が我々にとって利益」だとも述べた。セヌリ党の李仁済(イインジェ)議員は「暇な話」だと言った。文元代表は保守陣営の攻勢を「色分け論」(いわゆるアカ攻撃)、「従北」決めつけだと非難する。一般常識とかけ離れた自分の主張が色分け論を呼ぶ禍根ではないのか、自ら顧みるべきではないか。
(1月17日付)
★=日へんに文
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。