依然深刻な脅威、9・11同時テロから15年


米各地で追悼式典

 
 日本人24人を含む約3000人が犠牲になった2001年の米同時テロから15年を迎えた11日、ニューヨークの世界貿易センタービル跡地「グラウンド・ゼロ」や首都ワシントン郊外にある国防総省、ペンシルベニア州シャンクスビルのテロ現場跡地で追悼式典が開催された。

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11日、米ワシントン郊外の国防総省で開かれた同時テロの追悼式典で黙とうをささげるオバマ大統領(AFP=時事)

 オバマ大統領は国防総省の式典で演説し、「15年は長い年月に思えるかもしれないが、あの日に心の一部を失った家族にとっては昨日のことのようだろう」と強調。「米国人は恐怖に屈しない。われわれは自分たちの自由を守る」と述べ、テロに立ち向かう決意を改めて誓った。

 ニューヨークでの式典には、遺族や関係者らのほか大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏と民主党候補ヒラリー・クリントン前国務長官も参列。国際テロ組織アルカイダのメンバーにハイジャックされた旅客機が世界貿易センタービルに激突した時刻やビルが崩れ落ちた時刻に合わせて黙とうがささげられ、犠牲者の名前を遺族らが読み上げた。ただ、クリントン氏は体調を崩したため途中で退席。ニューヨークにある娘のチェルシーさんの自宅で休息した。診察した医師は、クリントン氏が9日に肺炎と診断されていたと明らかにした。

 一方、過激派組織「イスラム国」(IS)の台頭などもあり、テロへの懸念は残ったままだ。ジェイ・ジョンソン国土安全保障長官は11日、「ホームグロウン(国産)」型や「ローンウルフ(一匹おおかみ)」型のテロが依然として深刻な脅威だと指摘した。

(ワシントン岩城喜之)