技術の独立
韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」
1998年、“コーラ独立”を叫んで「815コーラ」が国内で誕生した。このコーラを売り出した汎洋食品は、1973年から国内でコカコーラを製造してきたボトリング・パートナーの一社だった。二十数年間、韓国人の味覚を虜にしたコカコーラ側が、ボトリング契約を破って合併しようとしたので、それを拒否して自前の技術でコーラを作り出したのだ。1886年からコーラの原液製造法を金庫に入れて秘密を守るコカコーラからの独立だった。
815コーラは発売1年で500億ウォンを売り上げ、13・7%の市場占有率を記録する成功をおさめた。当時、金融為替危機(IMF事態)の中で愛国心に訴える販売戦略が功を奏した。ところが人気は長く続かなかった。
コカコーラ側の物量攻勢と販売促進行事、汎洋食品の販売戦略の失敗などが原因だが、何よりもキリッと引き締まった味を十分出すことができなかったのが問題だった。2003年10月、同コーラ販売の系列社が倒産し、汎洋食品まで連鎖倒産して消え去った。
先進国の技術に追いつくのは至難の業だが、わが国は多くの分野で成功神話を生み出した。我々の手で半導体、自動車、造船、鉄鋼、情報技術(IT)などを世界一流の水準まで引き上げたが、いまだに先進国と相当な格差を見せる分野の一つが、国防科学技術だ。
最近、技術の壁を最も実感する事例が他ならぬ韓国型戦闘機(KFX)事業だ。米国がAESA(多機能能動走査配列)など、4大核心技術の移転を拒否したことで、建国以来最大規模の事業費18兆ウォンの事業に対する懐疑論が提起されている。政府は昨年、次期戦闘機(FX)の機種選定の過程で技術移転が可能だといっていたが、最近になって難しいといい始め、今度は10年内に自己開発が可能だという。これではどの言葉を信じるべきか、さっぱり分からない。
国産の超音速高等訓練機T50のウズベキスタン輸出が米政府の反対で難航しているという。政府は今年5月、朴槿恵大統領がウズベキスタンの大統領と会談して協力を求めるほどT50の輸出に力を入れてきた。国産兵器の輸出を米国が問題にできるのは、航空電子装備とエンジンなど、核心技術が米国産であるためだ。米国は技術流出の問題と周辺国との緊張造成などを理由にしているという。今ほど技術の独立の切実性を感じる時もなかったように思う。
(10月26日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。