県経済の再生に自助努力を
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
沖縄県の経済について考えるシンポジウムが18日、那覇市で開かれた。那覇青年会議所が主催したもので、沖縄観光コンベンションビューロー前会長の上原良幸氏、『沖縄の不都合な真実』著者の篠原章氏、沖縄大学准教授の樋口耕太郎氏、沖縄国際大学教授の前泊博盛氏が県経済の現状や課題、処方箋について話し合った。
シンポジウムでは、県内の格差問題、基地返還後の跡地利用、沖縄振興一括交付金の使い道が主な議題となった。
上原氏は、「格差解消のかぎは、沖縄の地縁血縁を生かして家庭と地域を再生させること」と述べた。これまでの基地返還地は画一的な開発に終わってしまったことから、普天間飛行場の跡地は全部公園にしたらどうかと大胆な提案をした。
篠原氏は、「沖縄振興予算は他県に比べて優遇ではない」という県の主張について、沖縄の場合は国庫支出金の補助率が非常に高い上に、一括交付金を交付されている」と反論。「補助を前提にビジネスをしては産業が育たない」と述べ、自助努力の必要性を説いた。
樋口氏も同様に「補助金が不均等に分配されるため、県内に格差ができてしまった」とし、補助金に頼らず自由経済市場で活動することの重要性を訴えた。
前泊氏は、統計によると沖縄県内の経済格差が大きいことについて「沖縄の経済統計は当てにならない」と指摘。所得の実態を丁寧に調べる必要性に触れた。また、基地と観光の問題では、「普天間飛行場(宜野湾市)が返還されるのを待つのではなく、嘉手納基地の滑走路を軍民共用にしたらいい」と提案した上で、普天間飛行場以外の基地をどうするのかについて一言も言わない翁長知事を批判した。(T)