ポイ捨て手榴弾


地球だより

 一度(ひとたび)、海外に出ると日常的に銃器と接する機会が増える。バンコクでは金のアクセサリーなどを販売している宝飾店前には必ずと言っていいほどライフルを手にしたガードマンが警備している。

 スリランカのコロンボでは、官庁街前などにトーチカを設置して武装兵士が24時間警備に従事している。

 なお今月中旬、バンコクのスクムビット通りで、ごみ集積所に捨ててあったビニール袋に入った小型の手製爆弾が爆発し、ごみ収集作業員のタイ人男性3人がけがをするという事故が発生した。このうちの1人は右手の中指を失う重傷だった。

 警察はこの事件で、現場近くに住むティーンエージャーの少年5人を爆発物所持容疑で逮捕した。5人は取り調べに対し、対立する若者グループとの抗争に備えて爆弾を製作したものの不要になり捨てたという。

 タイの男子職業高校生徒のグループ抗争では、しばしば拳銃による射殺事件や手榴弾(しゅりゅうだん)投げ込みによる巻き添え被害が毎月のように新聞をにぎわす。それだけ銃器を使う垣根が低く、海外で人に恨みを買うようなことは極力、避ける必要がある。

(T)