タイのベジタリアン週間


地球だより

 タイは今月24日から10月2日まで菜食週間「(キン)ジェー」だ。開催時期は旧暦で決まるため毎年、多少ずれるがこの季節になると雨期が終わりを告げ、乾期の始まりを告げる時期とも重なる恒例の行事でもある。

 この期間、食堂や屋台では赤い字で「斎(ジェー)」と書かれた黄色い旗が目印のベジタリアンメニューを並べるほか、スーパーでも肉や卵、乳製品を使わずに作った特製惣菜が並ぶ。

 ベジタリアン週間で口にすべきでないものは、肉や魚類だけでなく、乳製品や卵もある。

 だからこれらに似せた肉や魚もどきの大豆などで作った練り製品や豆腐に揚げ豆腐、豆乳といったものがバンバン売れる。アイスクリーム屋もちゃんと対応し、牛乳の代わりにココナツミルクを使ったアイスクリームを販売したりもする。

 さらにタンパク源だけでなく、タイ料理に欠かせないガーリックや玉ねぎ、それにパクチーなど、精力のつく刺激的な香味野菜も敬遠される。ただ、パクチーのないタイラーメン「バミーナム」は、やはりしょうゆを抜いたすき焼きのようで、核心部分が欠落しているようにも感じられて、これだけはいただけない。

 いずれにせよ、健康的に見えるベジタリアン週間だが、これが意外と健康にはよくない。というのも肉類、動物性たんぱくがだめなことで、やたら油を使ったり小麦粉など粉製品が多くなることで太るからだ。

(T)