目下、二つの「吉田」問題で炎上中の朝日新聞。…


 目下、二つの「吉田」問題で炎上中の朝日新聞。その一つ「慰安婦報道」で強制連行を証言した稀代の詐話師「吉田清治氏」に関する一連の記事取り消しを検証で特集したことに対する同紙投書欄「声」(先月30日付)から。

 5本の投書のうち3本がこの問題だった。「なぜ、長い間誤報が放置されたのか。組織的欠陥があるのではないか。誤った引用記事を何度も使ったことで、韓国メディアに恣意的に使われたことはなかったのか」(無職男性67、神奈川県)。

 「組織的欠陥」にまで踏み込んだ追及は、すでに新聞、雑誌の朝日批判では行われてきたが、朝日は取り合わなかった。それが「なお残る疑問 真摯に検証して」との見出しで掲載した。

 投書の前段に「慰安婦問題の報道で、朝日新聞を廃刊せよといった意見があるが、多様性ある言論を除こうというような主張には賛成できない」との擁護があったからか。

 もう一つ「誠意は正確な報道を通じ示せ」の見出しで大阪府の会社社長(70)は、記事取り消しなどに「戦後69年も経ち、今さら何を言うのかと怒りを覚えるが、その謙虚さには遅まきながらまだ誠意を感じる」と複雑な気持ちを綴った。

 前者の投書は元慰安婦の証言を報じた元自社記者の「事実のねじ曲げはない」とした朝日の見解には疑問を呈し、真摯な検証を続けて読者に答えることを求めている。朝日の宿題はまだ終わっていない。