多目的駐車場-イスラエルから


地球だより

 先日、アパートの入り口に張り紙がしてあったが意味がよく分からず日付だけが読み取れた。以前も同じようなことがあり、知らずに過ごしていたら、実は駐車場をウエディング会場として使うというお知らせだった。他の住民は「避難」していたが、うちの家族だけアパートに残っていたため、夜中までウエディングの大音響に悩まされた覚えがある。

 今回は何かと思っていたら、駐車場をきれいにならしてアスファルトでカバーする工事のことだった。2日間にわたる工事は、大きな重機が地面を削り粉塵(ふんじん)を舞い上げていたため、この猛暑でも窓を開けられず、洗濯物も外に干せなかった。

 無事工事が終了し外に出てみると、デコボコしてよく水たまりができていたところも平らになり、規則正しい区画ラインがくっきりと引かれていた。

 これまでどんどん住民の車が増えて駐車スペースにまつわるトラブルが絶えず、そのせいで引っ越してしまった人までいた。最近では、独断で自分が駐車したいスペースにチェーンを掛けたり、迷惑駐車防止用のアーチスタンドを立てたりする人もいた。

 しかし、互いに申し合わせてやっているわけではないので、アパートの入り口の真ん前に勝手に張られたチェーンのせいで、ベビーカーのお母さんがわざわざ赤ちゃんとベビーカーを抱えて入ることもあった。

 時折、子供たちのサッカー練習場にもなっているこの駐車場。きれいに整備された新しい駐車場を、互いに「忖度(そんたく)」して上手に使ってほしいものだ。

(M)

(サムネイル画像:Photo by Daniel Lerman on Unsplash)