急進左派政策めぐり論戦、米民主党の2回目討論会


 2020年の米大統領選に向けた民主党の2回目の討論会が30日、ミシガン州デトロイトで始まった。初日は10人が登壇し、急進左派の有力候補、サンダース上院議員(77)、ウォーレン上院議員(70)に対し他の穏健派の候補者からの批判が相次いだ。

ウォーレン上院議員(右)とサンダース上院議員

30日、米ミシガン州デトロイトで、民主党の大統領選候補者討論会の終了後、ウォーレン上院議員(右)の肩を抱くサンダース上院議員(AFP時事)

 討論会では、サンダース氏とウォーレン氏が掲げる民間保険を排除し全国民に公的医療保険を拡大する「メディケア・フォー・オール」をめぐって論戦が交わされた。

 ディレイニー前下院議員(56)は、民間保険廃止について「なぜ我々は人々から何かを奪う党にならなければいけないのか。彼ら(共和党)は違法だと言っている」と非難。ヒッケンルーパー前コロラド州知事(67)は「私は彼らの進歩的な価値観を共有しているが、私はもう少し実用的だ」と述べ、サンダース氏やウォーレン氏の急進的な政策が実現性に乏しいと指摘した。

 サンダース氏は「大きなアイデアを恐れている民主党員にうんざりしている」と反論。現在の医療保険制度で8700万人が未加入だとし、「健康保険は人権だ。そのために私は戦う」と強調した。

 サンダース氏の擁護に回ったウォーレン氏は「我々は誰からも医療を奪うことを試みていない。それが共和党員がやろうとしていることだ」と主張。財源については、「大企業と大金持ちがより多く払う」と訴えた。

 討論会2日目となる31日も10人の候補者が参加。支持率でトップを走るバイデン前副大統領と前回の討論会で同氏を批判し支持率を高めたハリス上院議員らが登壇する。

(ワシントン 山崎洋介)