米朝会談1年、正恩氏から「温かく素晴らしい書簡」
トランプ氏、対話継続に意欲
トランプ米大統領は11日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長から10日に「とても温かく、素晴らしい書簡」を受け取ったと述べ、「正恩氏との関係は非常に良好だ。とても前向きなことが起きるだろう」と対話の継続に意欲を示した。ホワイトハウスで記者団に語った。
正恩氏の書簡は、シンガポールで行われた初の米朝首脳会談から12日で1年になるのに合わせて送られたものとみられる。
トランプ氏は、北朝鮮が核や長距離ミサイルの発射は中止しているとして「正恩氏は私との約束を守っている。それは私にとって非常に重要だ」と強調した。
北朝鮮が短距離ミサイルの発射を行ったことについては、「非常に短距離のミサイルを発射したにすぎない。(長距離ミサイルとは)全く異なるものだ」と述べ、問題にしない考えを改めて示した。
トランプ氏はまた、3回目の首脳会談について「起きるかもしれない」と述べつつも、それについて今は発言を控えるとした。
ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は11日、ワシントン市内の会合で、「十分にあり得る。正恩氏がカギを握っている」と指摘。「北朝鮮が核を放棄すればよい」との立場を示した。一方で、「正恩氏は、核兵器を廃棄する決定は下していないようだ」とも述べた。
正恩氏も今年末を対話の期限とし米国に譲歩を迫っているが、この状況に米ヘリテージ財団上級研究員のブルース・クリングナー氏は「米国と北朝鮮は、それぞれ3回目の首脳会談を人質に、相手が軟化することを要求している」と指摘。トランプ政権に北朝鮮への制裁執行を厳格化するよう求めている。
(ワシントン 山崎洋介)