学校で男2人が銃乱射 ブラジル
生徒ら8人死亡
ブラジル南東部サンパウロ州のスザノ市で13日朝、2人組の男が州立学校で銃を乱射し、生徒ら8人が死亡、少なくとも11人が負傷した。犯行に及んだ17歳と25歳の2人は、通報を受けた警察が到着する前に自殺した。サンパウロのドリア市長は3日間の服喪を発表した。
事件があった学校は、日本の小中学校と高校にあたる学年の一貫校で生徒数約1000人。犠牲者のうち5人は学生で、2人は学校職員、事件直前に学校近くで1人の男性が銃で撃たれた。軍警察は、現場から38口径の回転式拳銃と弓矢、爆発物を回収したと発表、犯行の動機などに関しては、襲撃犯2人が同校卒業生だということ以外は報じられていない。
目撃者によると、犯人らはまず校庭に侵入して銃を乱射し、その後は学校の施設内で再び発砲したという。ブラジルの各メディアは、事件発生直後から騒然とした現地の様子などを報道、テレビでは生徒たちがパニック状態で学校から避難する動画などが流れた。
ブラジルは、世界でも有数の銃器犯罪の多い国だが、今回のような無差別乱射事件はめったに起きていない。2011年に12人が死亡したリオデジャネイロの学校での乱射事件以来、学校での乱射事件は発生していなかった。
保守派のボルソナロ大統領は、ツイッターで「極悪非道な行為だ」と非難した。が、銃規制については「凶悪犯罪から自分で身を守れるようになるべきだ」と主張しており、今年1月の大統領就任後に銃規制緩和法案を提出した。同法案への反対の声も多く、今回の事件が銃規制に新たな議論を呼ぶ可能性もある。
(サンパウロ 綾村悟)