キューバで改憲の国民投票


私有財産容認など是非問う

 共産党一党独裁が続くカリブ海のキューバで24日、私有財産制の容認を含む憲法改正の是非を問う国民投票が実施された。結果は25日中には判明する予定で、賛成多数であれば4月には改正憲法が公布される見通し。

ディアスカネル国家評議会議長

24日、ハバナで、国民投票の投票を済ませ記者団の取材に応じるキューバのディアスカネル国家評議会議長(AFP時事)

 投票に先立ち、ディアスカネル国家評議会議長(58、元首に相当)は、賛成に投票するように国民に呼び掛けた。

 改正案では、キューバが1959年の「キューバ革命」で社会主義国となってから初めてとなる私有財産容認や大統領と首相職の復活などが盛り込まれている。大統領制は1976年の現行憲法制定時に一度廃止されている。大統領の任期は5年で2期まで。

 キューバでは、これまで国家評議会議長にすべての権限が集中していた。大統領制の導入により、共産党一党独裁の枠組みに中で、権力の分散と集団による指導体制への移行を目指すことになる。

 キューバでは、故フィデル・カストロ氏の後継者だったラウル・カストロ国家評議会議長(87)が昨年4月に退任、「カストロ」後をめぐって経済政策などで変革が求められていた。ラウル氏は、市場経済の導入やインターネットの一部解禁など経済改革に前向きだったが、今後は私有財産の容認などをさらに進めることで、経済成長を目指すことになる。

 改憲案では、外資にも私有財産を認める内容が含まれるなど海外投資による経済活性化を目指すが、市場経済の導入により貧富の格差が広がった場合、国民の不満が指導層に向くことも懸念される。

 キューバに対し融和的だったオバマ米大統領に代わり、トランプ米大統領は、経済制裁を科すなど厳しい姿勢で接している。

(サンパウロ綾村悟)