ファーウェイ副会長を起訴
米司法省、対イラン制裁違反
米司法省は28日、カナダ当局が米国の要請で逮捕した中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)と同社の孟晩舟副会長兼最高財務責任者(CFO)を起訴したと発表した。米政府はカナダ当局に身柄引き渡しを要請した。30日に始まる閣僚級貿易協議を前に、米中関係の対立が強まることが予想される。
発表によると、ファーウェイと孟氏は、米国の対イラン制裁を逃れるため、イランの子会社「スカイコム」について「無関係」と虚偽の説明をするなどの詐欺の罪に問われた。
このほか、ファーウェイが米携帯電話大手のTモバイルからスマートフォンの品質試験に関するロボット技術を盗んだとして起訴したことも明らかにした。
連邦捜査局(FBI)のレイ長官は会見で「ファーウェイは、米国企業から貴重な知的財産を盗むことで、不公平な市場優位性を得ることができた」と指摘。「米国にこの種の犯罪行為を許す場所はない」と強調した。
ウィテカー司法長官代理によると、起訴は合計20件以上で、これらは「10年前にさかのぼり、会社の上層部が関与している」という。
孟副会長は昨年12月、カナダ当局が逮捕し、現在は保釈されている。カナダのCBC放送によると、カナダ政府は既に、孟氏の身柄引き渡しについて米国から正式な要請を受け取っているという。これを踏まえ、孟氏の引き渡しをめぐる裁判所での審理が2月6日に行われる。
(ワシントン山崎洋介)