バイデン氏の移民政策批判 トランプ前米大統領、WT紙に寄稿
「国境の壁建設完了を」
トランプ前米大統領は6月30日付の米紙ワシントン・タイムズに寄稿し、バイデン大統領の寛大な不法移民政策を批判し、「国境のない国は、国とはなり得ない。バイデン氏は直ちに国境の封鎖を完了すべきだ」として、メキシコ国境の壁建設を完了させるよう訴えた。
バイデン氏は大統領就任初日に壁建設の停止を命じ、トランプ氏が発令した壁建設をめぐる国家非常事態宣言を2月に撤回している。こうした動きについてトランプ氏は、「壁建設は計画、承認、支払いが行われ、ほとんど完成しており、バイデン氏がすべきことは請負業者に建設を完了させることだけだった。国境警備隊員もそれを望んでおり、そしてそれは米国をより安全にしたことだろう」と訴えた。
その上で、バイデン氏が壁建設中止により、「意図的に壁と壁の間に隙間を残し、人身売買業者や麻薬密輸業者が悪用するための抜け道を作った」と主張。「私は壁を作ったが、バイデン氏は人道的大惨事を作り出した」と訴えた。
トランプ氏はまた、バイデン政権が、不法移民を捕らえても審理まで釈放する「キャッチ・アンド・リリース」政策を復活させるなど、トランプ政権下で実施された不法移民対策を次々と覆したことを批判。こうした政策の結果、5月に国境を通過した不法移民の数は、昨年同月比で7倍近くに上ったと指摘した。
(ワシントン・山崎洋介)