トランプ氏夫妻 コロナ陽性
大統領選への影響必至
トランプ米大統領(74)は2日未明(日本時間同日午後)、ツイッターで自身とメラニア夫人が新型コロナウイルスの感染検査で陽性だったと発表した。トランプ氏は直ちに隔離に入る。来月3日に迫った大統領選にも大きな影響を与えることは必至だ。(ワシントン・山崎洋介)
側近のホープ・ヒックス大統領顧問が新型コロナ検査で陽性だったことを受け、トランプ氏も検査を行った結果、感染が判明した。ヒックス氏は先月30日に大統領専用機に同乗するなど、トランプ氏と頻繁に行動を共にしていた。米メディアによると、ヒックス氏は同日にワシントンに戻る機中で体調不良を訴え隔離され、10月1日に検査を受けたという。
トランプ氏はツイッターで「今夜、妻と私は新型コロナの陽性と判定された。直ちに隔離と回復のプロセスを始める。私たちは『一緒に』これを乗り越える!」と投稿した。大統領の主治医は「大統領夫妻の体調は今のところ良好で、回復までホワイトハウスにとどまる予定だ」と説明した。
トランプ氏の感染は今後の大統領選に大きな影響を与えることになる。今月15日と22日に大統領候補のテレビ討論会が予定されているが、開催が不透明になった。
無症状の状態が続いたとしても、トランプ氏は隔離期間中、選挙集会ができず、オンラインや電話を用いた活動を行うとみられる。トランプ氏は世論調査で劣勢が伝えられる中、激戦州で選挙集会を連日のように開いてきたが、方針の変更を余儀なくされることになった。
仮にトランプ氏の症状が悪化し職務を遂行できなくなれば、憲法の規定に基づきペンス副大統領が職務を代行することになる。ペンス氏の報道官は2日、同氏夫妻が新型コロナの検査で陰性だったと発表した。
大統領選では、米国で死者が20万人を超えた新型コロナへの対応が大きな争点となっている。トランプ氏は感染が増加する中でも、米国が新型コロナの危機をおおむね乗り切ったと主張し、経済再開を進めることで支持拡大を図ってきた。自身が感染したことで、こうした戦略の見直しも迫られる可能性がある。
トランプ氏は屋内で集会を開くこともあり、公の場でマスクを付けないことも多かったことから、専門家から懸念の声も上がっていた。トランプ氏は自身の検査結果を待つ間の1日夜、FOXニュースのインタビューで「軍人や警察官がやって来たとき、『近づくな』と言うのは難しい」と述べ、接触を避けることが困難だと語っていた。