ローマ法王がUAE入り
史上初のアラビア半島訪問
イスラム教指導者と会議
フランシスコ・ローマ法王は3日、アラブ首長国連邦(UAE)を訪問した。ローマ法王が、イスラム教発祥の地であるアラビア半島を訪問するのは史上初めて。同国英字紙、ハリージ・タイムズなどが4日、報じた。
法王は首都アブダビに3日間、滞在。4日にはイスラム教指導者との会議に参加し、忍耐や平和についての宗教間対話を深める。5日には、キリスト教徒向けの大規模ミサを執り行う。UAEにはフィリピン、インドなどからキリスト教徒120万人が出稼ぎで来ており、13万5000人が参列する見込み。
ローマ法王庁バチカンは、訪問に先立ち動画を公開、宗教関係史に新たな1ページとして書き込まれると強調した。
訪問の背景には、中東のアラブ各国でキリスト教徒への迫害が続き、シリア、エジプト、イラク、レバノンなどでキリスト教徒の激減傾向が続いていることへの危機感もあるものとみられる。
法王はかねて、イスラム世界との架け橋になりたいとして、イスラム教と暴力を結び付ける見方を拒否、指導者らが連携して、あらゆる形の根本主義や暴力に立ち向かわなければならないとして、各宗教・宗派指導者の果たすべき責任を訴えてきた。
(カイロ鈴木眞吉)