イスラエル軍のガザ空爆で7人死亡
ハマスもロケット弾で報復
イスラエル軍は12日から13日にかけ、パレスチナ自治区ガザ地区の150カ所以上に空爆や砲撃を行い、ガザ地区の保健省によると少なくとも6人が死亡した。一方、ガザ地区からは12日、イスラエル南部に約400発のロケット弾が撃ち込まれ1人が死亡、約70人が負傷した。近年では最大規模の攻撃の応酬とみられ、双方の報復攻撃がエスカレートする恐れがある。
ガザでは11日にイスラエル軍とガザを実効支配するイスラム根本主義組織ハマスが衝突し、8人が死亡した。夜半の報復攻撃で緊迫が増す事態に、イスラエルでは13日に安全保障内閣を招集して対応を協議したが、事態沈静化に向けた国連やエジプトからの調停外交に今のところ応じる姿勢を見せていない。
ハマス側は「攻撃をさらに強める」と警告を発して、イスラエル側を牽制(けんせい)している。
イスラエル軍の声明によると、今回の大規模攻撃は、ハマスや別の根本主義組織「イスラム聖戦」の軍事関連施設を標的に実施された。イスラエル軍は「イスラエルへのテロ攻撃を呼び掛けている」として、ガザ市中心部にあるハマスのテレビ局も破壊した。
イスラエルに向けて発射された400発以上のうち、多数のロケット弾はイスラエル軍の対空防衛システムで迎撃されたが、南部アシュケロンでは、ロケット弾の直撃を受けた建物のがれきの中で死亡している男性が発見された。男性はパレスチナ人の出稼ぎ労働者という。また、同じ建物にいた女性2人も負傷し重体となっている。
(エルサレム森田貴裕)