開城工業団地の再開働き掛け、韓国企業家らが訪米
韓国・北朝鮮共同事業の開城工業団地に工場を持つ韓国の企業家グループが、経済制裁で操業が停止されている団地の再開へ米国への働き掛けを強めている。代表団は今週、ワシントンを訪問、連邦議会議員らと面会し、朝鮮半島の緊張緩和と北朝鮮との非核化の促進につながるとして再開を求めた。
団長のキム・キムン韓国中小企業連合会長はワシントン・タイムズとのインタビューで「南北間の平和努力と経済協力は、国連制裁の対象にはならないはずだ」と制裁免除を訴えた。
代表団は11日、米下院外交委員会の委員らと非公開で面会し、制裁の免除を求めた。
団地に時計工場を所有しているキム氏は、「工場のインフラはまだあり」比較的短時間で再開できると指摘したうえで、「南北2カ国間だけでなく、米国、日本、欧州の政府、企業が参画できる多国籍工場団地を目指している」と述べ、国外からの大規模な投資を呼び込むようになれば、緊張緩和にも貢献すると主張した。
キム氏によると、団地の操業には約5000社の韓国企業が関与しており、「閉鎖後、材料、資材を納入できなくなったために約1万人が職を失った」という。
団地は04年に開業、ピーク時には約5万4000人の北朝鮮人労働者が雇用され、韓国からは125社800人が働いていた。北朝鮮の核・ミサイル実験を受けて16年に韓国側が撤収した。
米専門家らは、北朝鮮の核放棄は進んでおらず、この段階で再開を認めれば、米側が譲歩したと解釈される可能性があるとして、米政府に慎重な対応を求めている。米政府も、北朝鮮の核交渉が停滞したままでの操業再開に難色を示している。
(ワシントン・タイムズ特約)