ロシア寄り姿勢強めるトルコ


 米政府は、ティラーソン国務長官をトルコに送り、シリア情勢などをめぐるトルコとの緊張の緩和に乗り出している。しかし、大統領選を来年に控えるトルコのエルドアン大統領は、国民に強い指導者であることを示そうと、米国との対決姿勢を強め、ロシア寄りの姿勢を強めている。

 トルコの元議会議員で、現在、米シンクタンク民主主義防衛財団の上級研究員のアイカン・エルデミール氏はワシントン・タイムズとのインタビューで、「米国は、エルドアン大統領が反米姿勢を強く打ち出していることに気付いていない。来年11月に実施されるトルコ大統領選を控え、特にその傾向は強まっている」と警鐘を鳴らした。

 その上で同氏は、トルコが、北大西洋条約機構(NATO)から軸足を移し「イランとロシアと密接な協力関係を築いている」と、トルコのNATO離れを警告した。

 トルコは、シリア北部で活動するクルド人民兵組織、人民防衛部隊(YPG)への米国の支援に反発、エルドアン氏は15日のティラーソン氏との会談でも、YPGとの絶縁を米国に求めた。

 トルコには1500人の米兵が駐留、シリア国境に近いインジルリク空軍基地を、イラクとシリアでの過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦に使用している。

(ワシントン・タイムズ特約)