さらなる民主化推進への道

寄稿

在日本ウズベキスタン共和国特命全権大使 ファルフ・トゥルスノフ

12月4日大統領選挙を実施

 ウズベキスタンは、独立以降、法治国家、民主主義国家、市民社会を築いてきました。また、国や社会の営みに関わるすべての分野において自由化や近代化を進める中で、民主主義にかなった選挙制度がつくられています。特に、近年はあらゆる分野において改革が進められ、ウズベキスタンの社会・政治、社会・経済システムの抜本的な刷新の基盤となる法の整備が行われています。

ファルフ・トゥルスノフ

 国際的な規準や原則に合った選挙に関わる効果的な法律が敷かれており、それは選挙民が自由に意思表示する権利や自由に選ぶ権利、また、国家権力の代表機関に選ばれる権利を保障するものであります。選挙における公開性を保障する法的仕組みもつくられています。

 今月21日には、大統領選挙に候補者を擁立する各政党が中央選挙管理委員会に届出を出し、ウズベキスタン国民民主党から党首のホタムジョン・ケトモノフ、ウズベキスタン社会民主党「アドラト」からナリマン・ウマロフ、ウズベキスタン民主党「ミリー・ティクラニシュ」からサルバル・オタムラトフ、ウズベキスタン自由民主党からウズベキスタンの首相兼大統領代行のシャフカト・ミルジヨエフが立候補しました。

 各政党が選挙戦の綱領に基づいて選挙に参加することは、ウズベキスタンの発展の過程において自然なことであり、選挙において、民主主義の理念を守ることは、法治国家の証としての政治的多元主義なしには不可能であります。

 現代社会においては、まさに複数政党が選挙に参加することによって、国の政治の営みに国民が携わる権利が保たれるものであります。政党は、市民社会の主体者であり、有権者に幅広い政治的視点を示しつつ、誰に投票するかを決める手助けをしています。

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ウズベキスタン独立記念広場の「善良と気高き意志の門」 タシケント市

 ウズベキスタン共和国憲法や憲法に基づいてつくられた「社会団体法」「政党法」「政党資金法」などの法律は、ウズベキスタン国内で政党や国民のさまざまな層の関心に合った社会団体を自由に設立し、それを発展させていくのに必要な法的基盤となっています。

 また、政党が政治や選挙に積極的に携われるような法的仕組みの段階的な改善も続けられています。2003年と2008年には、憲法及び「ウズベキスタン共和国大統領法」「国民選挙権保証法」「ウズベキスタン共和国議会選挙法」「地方議会選挙法」などへの変更と追加に伴い、大統領選挙、議会選挙、地方選挙は多党制の下実施されています。

 2010年にウズベキスタンのイスラム・カリモフ初代大統領が立案した民主改革の促進と市民社会形成に関する構想が議会で採択され、これは多党制の発展を進める新たな促進剤となりました。この構想の中で掲げられたイニシアチブに基づいて、憲法が改正され、それにより、選挙の結果、立法議会の中で最大の議席数を獲得した政党、または、複数の政党が同じ数の最大議席数を獲得した場合は、それらの政党が首相の指名を受けるための候補者を出すことになっています。また、主要な法律によって、首相に対する不信任決議が認められるようになりました。13年12月には政党法が改正され、地方議会の政治団体の権限が大きく拡大されました。

 ウズベキスタンの憲法やその他の法律によって、国民は国際的な民主主義の基準に基づいた選挙に関わる権利や条件が与えられており、有権者には、実施されている民主改革、法改革についての情報が公開されており、有権者の一票一票は国家や社会の未来にとって重要な意味を持っています。

 12月4日に行われるウズベキスタンの大統領選挙には、日本の社会・政治、学術、経済界の代表者10人が国際監視団として参加することになっています。

 独立以降、ウズベキスタンでは、選挙に関わる法律を作成し、それを発展させてきた結果、国の選挙制度を段階的に自由化していくためのしっかりとした法的基盤が築かれ、大統領選挙及び国政選挙は、法律と国際的な規範に基づいて実施されています。このように、ウズベキスタンでは、国民に広く開かれた大統領選挙戦、そして大統領選挙が実施されるように対策が取られており、これによって憲法に謳(うた)われている国や社会の営みに国民が携わる権利が完全に守られています。